サマー・サイエンスキャンプ2009を開催

2009.07.27-29


NIMSでは2009年7月27日~ 7月29日の3日間、今年も20名の高校生を迎えて、「いろいろな物質・材料に触れてみよう」をテーマにサマー・サイエンスキャンプを実施しました。

参加者の選考は例年、申込書に書かれた生徒の希望や熱意あふれる参加動機をじっくり読んで行っており、対応する研究者もその熱意に応えるため、未来の科学者、技術者の指導に力が入ります。

「NIMS研究者が実験をサポート」の画像

NIMS研究者が実験をサポート



物質の熱伝導・電気伝導や金属加工による硬化・軟化のメカニズムは、私達の身の回りにある様々なものに応用されていますが、実習では個々の物質が持つこれらの特性や変化する性質を知るとともに、加工の影響ついて考えました。

さまざまな実験を通して材料の基礎を学ぶ

「シャルピー試験の様子」の画像

シャルピー試験の様子


金属材料が低温で脆くなる性質は、タイタニック号の事故原因のひとつと考えられていますが、実習ではこの「低温脆性 (ていおんぜいせい) 」という性質を、試験片に衝撃荷重を加えて材料のねばり強さを調べるシャルピー衝撃試験を行って確認しました。また、構造物 (橋、自動車、飛行機) には目的に応じた最適な材料 (合金) が選択、使用されていることを知るために、金属材料が加えられた力 (荷重) に対してどのような挙動を示すかを引張試験で調べました。

「左 : 引張試験で荷重の影響を調べる 右 : 真剣な表情で電子顕微鏡を操作」の画像

左 : 引張試験で荷重の影響を調べる 右 : 真剣な表情で電子顕微鏡を操作



さらに、透過型と走査型の電子顕微鏡の構造を学び、実際に走査型電子顕微鏡を用いた実験による像観察や組成分析を行いました。このような精密な顕微鏡から見えてくる世界を知ることは、生徒たちにとって貴重な経験になったことと思います。

未来の研究者として

NIMSでは、サマー・サイエンスキャンプを通して高校生たちが実際に金属に触れ、そこに秘められた様々な不思議を体験して学ぶことで、身の回りにある道具や構造物に対する関心を高め、科学への興味を深めて将来新しいものを作り出す研究者を育むきっかけになることを願っています。

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