光音響分光法の相転移現象への応用

 光音響分光法はこれまでもしばしば相転移に応用されてきましたが、今回の研究では以下の2つのタイプの相転移に応用し、結果を公刊しました:

Pb の結果:Phys. Rev. B 72, 012509 (2005).
CsPbCl3 の結果:Phase Transitions 78, 377 (2005).


  • Pb 単結晶の超伝導・常伝導転移

     左図の a が超伝導相の光音響波、b が常伝導相の光音響波。
     右図は光音響波をウェーブレット解析した時間・周波数プロット。
     (いずれも上記文献より引用。)
     超伝導相で 4 MHz 付近の信号が著しく増強しています。この理由を明らかにしました。

  • CsPbCl3 結晶の強弾性転移(低温)
     低温での相転移が指摘されているCsPbCl3 において、200 K以下で 2 種類の相転移を強く示唆する信号を観測しました。この結果と最近の報告を総合的に考察して、相転移の型について議論しました。


以上の研究内容を手短にまとめたのが、つぎの研究会原稿です:pdf 形式(2005年12月)

付記:この研究は日本学術振興会の支援を受けて行ったものです。

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