2.(3) 結晶粒微細化と加工理論

<目的平成13年度>

鉄鋼材料の組織制御において,鋳造-凝固時に偏析するMn等のミクロ偏析を含む再加熱スラブ材(組織形態?)について,フェライト(α)組織に及ぼす加工・熱処理条件について検討する。

C
Si
Mn
P
S
0.11
0.16
0.58
0.01
0.003

加工・熱処理シミュレータを用いた加工・熱処理試験を行い,加工歪(ε)と加工前γ粒径(dγ)をパラメータとして,α組織への影響を調べる。

<研究成果>


(1) dγが大きい時(200μm),ウィッドマンステッテンフェライト(WF)が生成するが,大歪加工(ε=3.5)によってWFが消滅する。また,大歪加工(ε=3.5)により,再加熱熱延材のSM490鋼とほぼ同じ5μm のα粒径が得られる。

(2) dγが小さい時(20μm),WFは生成せず,均一かつ微細なポリゴナルフェライト(PF)となる。また,各歪において再加熱熱延材のSM490鋼とほぼ同じ5μm以下のα粒径が得られる


再加熱スラブ材の組織制御技術の確立へ

加工・熱処理時の加工歪及び加工前γ粒径とα組織の関係を定量化した。