2.(2)ミクロ偏析を利用した柱状γ粒の微細化

0.01〜0.20%のりんを含有する鋼を対象に100mm厚さの連続鋳造スラブを試作した。高りん含有鋼スラブは、微細柱状γ粒組織を有しそのγ粒径はりん無添加鋼に比べ1/2に細粒化した。この組織変化はりんの偏析スポットにおいて局所的にBCCが安定化しδ/γ変態温度が低下し生じた。すなわち、単にりん含有量の増加だけでなくそのミクロ偏析によりδ+γ2相域がより低温側に拡がり、分散したδ相によるピン止め作用でγ粒の成長が抑制された結果、γ組織が細粒化した。

CCスラブの旧γ粒組織