1.(1) 溶解・脱酸・凝固過程における脱酸生成物、介在物中不純物の挙動

平成12年度の成果

熱力学計算ソフトウェアThermoCalcを用いて、高りん鋼をマンガン、シリコン脱酸したときの各成分の挙動を予測し、a)脱りん効率は非常に低いこと、b)従来の塩基性スラグ精錬と異なり、高温ほど脱りんされやすい、などの基本的知見を得た。

平成13年度:

高りん鋼のマンガン・シリコン脱酸に関して、実際に溶解実験を行い、りんの挙動を熱力学的に把握する。

MnO-SiO2-FetO系スラグと固体鉄または溶鉄を平衡させ、両相中のりん、酸素濃度から、
以下の式で表されるりん吸収能の尺度であるフォスフェイトキャパシティを求め、評価する。

低温域(二次介在物)
 高温域(脱酸生成物) 

 脱りん能は非常に低く、Mn-Si脱酸時にPはほとんど
スラグ中へ溶け込まないことが分かった