「平成16年度ミレニアムワークショップ開催報告・プロジェクト最終報告会開催案内」

冶金グループ 小林能直

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<平成16年度ミレニアムワークショップ開催報告>

 本プロジェクトでは、産学界の有識者によるピアレビューと研究推進のために組織された「自動車および家電に関するリサイクル材料技術」研究評価調査委員会の活動の一環として、プロジェクト研究の進捗状況を報告するとともに、講師をお招きして関連のご講演をいただき、毎年ワークショップを開催してまいりました。

今年度は、「製鋼プロセス技術の現状と課題−リサイクル鉄利用プロセス技術の新たな展開・提案を目指して」ワークショップとして2004年12月10日に開催し、早稲田大学の伊藤公久先生をお迎えして、「製鋼プロセス研究の現状と課題」についてご講演いただくとともに、NIMSからは、凝固・冷却プロセスにおける不純物利用に関する研究成果及びスクラップ鉄中不純物の調査について報告いたしました。伊藤先生からは、現在の製鋼技術は既存のプロセスの制約条件の中での技術革新に力が注がれているという現状、今後の課題としての介在物制御と凝固組織制御、そして今後求められる界面やナノ領域における新しい学理構築の重要性を中心にお話がありました。

プロジェクト研究成果としては、不純物りんの偏析などを利用した鋳造組織の微細化、急冷凝固プロセスを利用した不純物鋼からの微細Cu2Sの析出について報告し、固相急冷利用による不純物を活用したプロセス設計の可能性について提案いたしました。また、調査研究の一環として、市中スクラップ鉄中不純物の挙動について報告し、今後銅の蓄積が共通の問題になることを再確認いたしました。多くの参加者の皆様から不純物利用プロセス実現に向けての、貴重な学術的、技術的助言をいただきました。

<最終報告会開催案内>

 資源循環型社会の構築を目指した新世紀構造材料研究として2000年度より実施してまいりました本研究課題は、2004年度末に終了いたします。皆様の多大なるご支援ご協力を得まして、不純物含有鋼からの創製材の強度1.5倍化、プロセス制御因子解析、リサイクル鋼創製設備整備などの成果をあげることができました。ご協力いただきました方々には、この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げます。

 研究課題の終了にあたり、これまで行ってまいりました、不純物有効利用のための新シーズの創出、現象解明、基礎研究からフィージビリティスタディとしての試作材の創製、大型装置の導入、スクラップ鉄や提案プロセスに関する種々の調査、などの成果について、皆様にご報告いたしたく、最終報告会を開催いたします。皆様より、ご意見、ご感想をいただきまして、資源循環型社会構築へ向けての里程標とするとともに、広く鉄鋼産業、材料産業の発展に資する研究の礎としたいと存じます。本報告会への多数のご参加を賜りますよう、ご案内申し上げます。

「リサイクル鉄の超鉄鋼化」プロジェクト 最終報告会 ご案内

開 催 日 時:2005年4月25日(月)10:30〜17:00

開 催 場 所:独立行政法人 物質・材料研究機構 千現地区本館 第一会議室

(〒305-0047 つくば市千現1-2-1)

地  図 :http://www.nims.go.jp/jpn/visiting/index.html

主   催 :(独)物質・材料研究機構 超鉄鋼研究センター

共  催 :(社)未踏科学技術協会「自動車および家電に関するリサイクル材料技術」研究評価調査委員会

参 加 費 : 無  料

※ご参加いただいた方には最終報告書を配布いたします。

申込連絡先 :(社)未踏科学技術協会 エコマテリアル研究会 羽生田

Tel. 03-3503-4681 Fax. 03-3597-0535 e-mail. ecomat@sntt.or.jp

参加申込方法:上記連絡先にFaxまたはe-mailにてお申込下さい。

==========参加申込フォーム========

「リサイクル鉄の超鉄鋼化」プロジェクト最終報告会

開催日時:2005年4月25日(月)10:30〜17:00

開催場所:独立行政法人 物質・材料研究機構 千現地区本館 第一会議室

ご  所  属 :

お  名  前 :

連絡先電子メイル:

<プログラム>

司会 長井 寿(物質・材料研究機構超鉄鋼研究センターセンター長)

10:30〜10:40 開会の挨拶

長井 寿 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センターセンター長)

10:40〜11:10

「プロジェクト紹介」

津崎 兼彰 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター副センター長)

11:10〜11:40

「研究調査活動および鉄鋼スクラップ動向調査について」

花村 年裕 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター主幹研究員)

11:40〜12:10

「プロジェクト関連研究設備、NIMS導入設備について」

 岩崎 智 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター主任エンジニア)

12:10〜13:10 昼食 

司会 津崎 兼彰 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター副センター長)

13:10〜14:10

「急速凝固・冷却プロセスによる組織・析出物制御」

小林 能直 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター研究員)

14:10〜14:50

「連鋳材の凝固組織と力学性能」

殷 福星 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター主幹研究員)

14:50〜15:30

「せん断付与加工プロセスによる形質制御」

井上 忠信 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター主任研究員)

15:30〜15:45 休憩

15:45〜16:25 総合討論

伊藤 公久 (早稲田大学理工学部物質開発工学科教授)

16:25〜16:35 総括

月橋 文孝 (東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)

16:35〜      閉会の挨拶

津崎 兼彰 (物質・材料研究機構超鉄鋼研究センター副センター長)