「第8回超鉄鋼ワークショップの開催案内」

超鉄鋼研究センター 冶金グループ 殷 福星

----------------------------------------------------------------------

 物質材料研究機構が毎年開催する超鉄鋼ワークショップが今年第8回目となり、「新構造の提案と求められる材料技術」という主題で7月21日から22日までつくば国際会議場で開かれる。この超鉄鋼ワークショップは新しい鉄鋼材料に関する学際的な討論の場、鉄鋼材料研究に関する学問的な議論の場、それに当研究機構における鉄鋼研究プロジェクトの成果報告の場として活用されている。

 世界の鉄鋼研究動向を反映するプレナリーセッションでは「超鉄鋼利用のための研究ネットワークの拡大 日本」、「SIDT技術による非調質ワイヤロッドの開発 韓国」と「最新鉄鋼材料の溶接性改善へのチャレンジ ベルギー」三件の基調講演が予定されている。技術討論会としては「超微細粒鋼・高強度鋼を溶接する」、「超鉄鋼を活かした新鋼構造の具体化―土木セッション」と「超鉄鋼を活かした新鋼構造の具体化―建築セッション」三つのテーマが企画され、それぞれが5件ほどの招待講演から構成されている。今回の研究要素討論会のテーマはそれぞれ「「ナノインデンテーション技術が先進鉄鋼材料の組織設計に果たす役割」、「構造材料製造における凝固プロセスの利点」と「650℃超級USCプラント用先進耐熱材料の研究開発」となっている。各セッションの講演者の半数は海外から招聘したその分野で活躍している専門家である。今回ポスターセッションの発表件数は67件となり、発表内容は鉄鋼材料の相変態、微細粒鋼など10分野に渉る。

 ミレニアムプロジェクトでは,資源循環型社会を想定した低環境負荷・低コストプロセスをベースとしたエコプロセスを背景とした基礎研究に取り組んでおります.今回の超鉄鋼ワークショップでは「構造材料製造における凝固プロセスの利点」をコーディネートし,7月22日に以下の5件の方々の講演を企画しております.

09:45 中国におけるエコロジカル製鉄プロセス 
Daqiang CANG (中国 北京科学技術大学)
10:15  薄スラブCCを前提とした高品質鋼材のエコプロセス 
矢田 浩 (静岡理工科大)
11:00 アルミ合金のニアネット−ストリップキャストへの凝固原理の応用

Reza Ghomashchi  (University of Quebec at Chicoutimi, Canada)

11:30 高窒素オーステナイト構造鋼の凝固 
G. Porcu  (Centro Sviluppo Materiali S.p.A., イタリア)
12:00 ストリップキャスト低炭素鋼材の組織と材質 
殷 福星 (NIMS)

 本プログラムの詳細はhttp://www.nims.go.jp/USWS/をご参照ください。今回のワークショップを充実な学術活動となるように皆様のご出席を心から期待しております。