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ナノバイオ分野

-ナノスケールの生体材料を開発し、独創的アプローチの医学へ-

 ナノバイオ分野では、人体がもつ自然治癒力を高めることによって病気を治すという発想に基づいて、材料自体が持続的に生体組織の治癒効果を促す“マテリアルセラピー”を可能にする材料創出を目標としています。これは、ナノアーキテクトニクス的な手法により設計された材料が薬のように効き目を発揮するものです。今までの研究を生かしながら、新しいナノバイオ材料の開拓をめざします。

配向連通多孔質アパタイト人工骨

 ナノアーキテクトニクス的な手法を取り入れて開発中の人工骨は、氷の結晶を鋳型にしてつくられた方向の揃った空孔をもっており、血管や細胞がより進入しやすくなっています。さらにコラーゲンも複合化されています。
 また、高分子材料とコラーゲンを複合化する研究も進んでいます。生体内で分解する高分子を繊維化させてコラーゲンと複合化させたもので、近年注目されている生体組織再生のための細胞親和性材料にする計画です。生体の種々の組織や臓器を再生させるために必須の技術です。

左:調整直後の繊維状ヒドロキシアパタイト─コラーゲン複合体
右:多孔質化されたヒドロキシアパタイト─コラーゲン複合体



センサー細胞

 分子生物学や細胞生物学的な手法を駆使したセンサー細胞の構築とその応用に取り組んでいます。細胞があるシグナルに応答して蛍光タンパクを発現するようにすれば、抗ガン剤や毒性金属イオンの超微量なセンシングに使えることがわかりました。量子ドットやナノ微粒子材料の毒性の評価に極めて有効な手段になると期待されています。

ごく微量の毒性物質に応答して光るセンサー細胞



薬物放出型ステント

 動脈硬化のために血管が狭くなると、ステントを用いて血管を拡張させる治療が行われますが、従来のステントでは再狭窄が問題でした。そこで、ステント表面に生体由来材料を固定化し、そこから薬剤を放出させて血管内皮細胞を誘導し、組織形成を促進します。こうすると、健常な血管表面に近い組織が安定して形成されることがわかりました。

開発中の薬物溶出ステントを施した血管内面の様子。血栓形成も見られず、平滑な内面構造を維持している。



ナノシステム新計測法の開発

 ナノアーキテクトニクスの概念を取り入れ、サイズや形状を制御した微粒子をつくり、生体内で機能を発揮するように設計します。これを肺の深部にまで送り込んだり、血管内を循環して患部だけに届くようにしたりする研究が行われています。目的の機能を体外からコントロールできるスマートバイオマテリアル研究では、材料の物性変化によって幹細胞の分化誘導をコントロールする研究などが行われています。

ナノ構造が制御されたインテリジェント微粒子概念図




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