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量子ナノアーキテクトニクスによるマヨラナ粒子の操作

2012.09.13
(2012.09.14 更新)

梁 奇峰 ( MANA、NIMS; 紹興文理学院 )
王 志 ( MANA、NIMS )
古月 暁 ( MANA、NIMS )

MANAの梁 奇峰、王 志 両リサーチアソシエートと古月 暁 主任研究者らのグループは、電気的に中性であるマヨラナ粒子の理論解析を行い、その操作方法を考案した。

マヨラナ粒子は自身の反粒子に等価であり、素粒子としてはまた見つかっていない。近年ある種のトポロジカル性質を持つ超伝導状態の準粒子励起モードがマヨラナ粒子として振る舞うことが分かってきたが、マヨラナ粒子が電気的に中性なためその操作が容易ではない。

今回研究グループが設計したトポロジカル量子ナノ構造を用いれば、局所的なゲート電圧のスイッチングだけでマヨラナ粒子を自在に搬送・交換することができる。マヨラナ粒子の交換は非アーベル統計に従い、量子デコヒーレンスのないトポロジカル量子計算の実装に役立つ。

図1 二つのマヨラナ粒子(赤と緑)の交換に用いられる量 子デバイスの概念図。四つのトポロジカル超伝導体がくびれ 部分を通じて繋がり、くびれ部分にゲート電圧を印加するこ とで電子の行き来を制御することができる。


図2 量子渦の芯部分とサンプルエッジ部に現れるマヨラナ粒子の波動関数(図中の赤い部分)。



図3 くびれ部分でのゲート電圧のスイッチングによるマヨ ラナ粒子の運搬。但し、量子渦の芯に捕まったマヨラナ粒子 は表示していない。


図4 大規模トポロジカル量子計算用デバイスの模式図




記事・報道

■新聞
科学新聞(2012年9月28日4面)


本件に関するお問い合わせ

国立研究開発法人物質・材料研究機構
ナノアーキテクトニクス材料研究センター(MANA)

ナノ物性理論ユニット 主任研究者

古月 暁

Tel:029-860-4897

E-Mail:HU.Xiao=nims.go.jp
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