超高速分光研究室
当研究室では固体材料中のコヒーレントフォノンを観測するためにフェムト秒パルスレーザーを光源としてポンプ・プローブ反射率および透過率測定を行っています。
ポンプ・プローブ法は2つの短いパルス——光、電場、粒子線などの——を用います。
ポンプパルスは、わたしたちが時間発展を知りたいと思う現象(例えば原子の運動)を引き起こします。プローブパルスは通常ポンプより遅れてやって来て、原子を短時間だけ「照明」します。その間だけ、原子の位置が検出器上に記録されます。 短いフラッシュ光(プローブ)と時間分解能の遅いカメラ(検出器)を使う点で、ストロボスコープとよく似ています。
運動を正確に記録するためには、位置はもちろんのこと、プローブがポンプからどれだけの時間遅れて来たかも正確に測定する必要があります。フェムト秒時間域でのポンプ・プローブ法では、二つのパルスの間の同期が大問題です。この問題は一つのパルス光を(ハーフミラーのような)ビームスプリッターで分割することによって解決することができます。ビームスプリッターの後、ポンプとプローブは別々の光路を飛んでいき、標的となる原子には(光路長さの差で決まる)別々の時間に到達することになります。
当研究室では(通常同一の)二つのフェムト秒パルス光をポンプとプローブとして使っています。ポンプ光は固体試料上に集光され、電子正孔対を励起すると同時にコヒーレントフォノンを誘起します。プローブ光も試料上の同じ点に集光され、試料からの反射または透過光を検出します。ポンプとプローブの光路長の差(時間遅延)を変えてこの手順を繰り返すことにより、反射率や透過率のフェムト秒での時間変化を検出することができます。
30fs Ti:sapphire laser from KMLabs (上). MIRA900, RegA9000 and OPA from Coherent (下).
並進ステージと2つのシリコンPIN検出器を含むポンプ・プローブ測定光学系