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疲労研究グループでは、金属材料のギガサイクル疲労特性のデータシートを出版しています。ギガサイクル疲労とは、例えば108から1010回というような非常に繰返し数の大きい回数で疲労破壊する現象です。これまではせいぜい107回程度で疲労強度を決めていました。しかし、高強度鋼など多くの鋼や金属材料で107回以降に、疲労強度が極端に減少すること、さらに、その破壊は材料内部の小さな欠陥や介在物を起点とすることなどが明らかとなりました(図1)。 そのため、各種高強度鋼やチタン合金について、図2に示す超音波疲労試験機(周波数20kHz)を用いて1010回までの疲労強度を求めて、データシートとして公開することにしました。超音波疲労試験機とは、通常よりも200倍以上速い速度で疲労試験をできる装置で、3年を要する1010回までの試験を1週間に短縮することができます。 図3は、ばね鋼のギガサイクル疲労強度を示しており、疲労強度は繰返し数とともに低下し、疲労限(図3で疲労強度が水平になる現象)が現れていないことが分かります。また、20kHzの結果(●)は100Hz(▼)や600Hz(■)の結果とよく一致していることから、20kHzでの疲労試験の妥当性を示した結果でもあります。ちなみに、図3の結果では、縦棒(|)を付けた1点を除き、全て内部破壊(図1)となっていました。 以上のように、ギガサイクル疲労に関する取組みでは、20kHzで短期間にデータを整備するだけでなく、通常の試験機による長期間の試験も併せて実施することで、データの妥当性も同時に検証するという地道な作業を行っています。このような取組みを継続的に実施していくことで、疲労破壊による破損事故のない安全な社会の実現を目指していきます。 |
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