NIMS NOW


特集 持続可能な社会形成を支える
ナノテク・材料研究 IV

エコマテリアルを日本から世界へ
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エコマテリアル研究センター
原田 幸明

 エコマテリアルは持続可能社会を支える材料であり、エコマテリアル研究センターでは、その代表的なアプローチとして、(1)地球の大きな循環の中での人工/天然の有害物質の浄化から人間圏の中での人工物の循環までを考慮した環境循環材料、(2)自動車の軽量化など環境にやさしく使いやすい材料をめざす軽量環境材料、(3)環境にやさしい電子材料の実装技術をめざすエコデバイス、(4)燃料電池や水素エネルギー、熱電素材等のクリーンなエネルギーシステムのための環境エネルギー材料、さらには(5)光触媒をもちいた環境浄化材料の研究を進めています。
 これらは、わが国などの工業化国において環境を配慮した新しいライフスタイルを形成していく土台となるさまざまな素材の開発を目指しています。これは、少ないエネルギー源や資源を分け合って、少しでも生活の質を高め、病気や寒さや飢えから逃れようとしている人々にとっても必要な技術の基礎ともなります。
 しかし、このように重要な持続可能社会のための材料研究ですが、エコマテリアル研究センターのような常設的な機関を作って総合的に研究している国は日本以外にはみあたらないのが現状なのです。そこで、それぞれの国や地域の研究者がその地域で関心ある研究者や学生を集める場に協力し、地域に根付いた取り組みの契機にしていくために、エコマテリアル研究センターのメンバーが会議に参加して、トピックスやセッション作りに貢献しており、私たちはこれをエコマテリアル・キャラバンと呼ぶことにしました。
 下の図は、これまでのエコマテリアル・キャラバンの足跡と今後の予定です。また、これと同時に、NIMS-EMC materials environmental dataを日英両版で出版し、持続可能社会に貢献する材料開発のための世界の研究者の結集と情報の交流を図っています。

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