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機構の動き

新ディレクターの紹介
ナノマテリアル研究所 ナノシンセシスグループ
 当グループは、無機物ナノ構造材料について、合成から最先端の電子顕微鏡技術を用いた構造観察および物理的・化学的特性の測定まで行っています。ナノ構造材料の材質は、金属、半導体、絶縁体全てが対象で、形態としては、ナノチューブ、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノコーン、ナノ粒子、ナノケーブルといった幅広い形態が含まれます。これまで、グラファイトや窒化ホウ素など層構造を持ったナノ構造材料の他、シリコン、窒化ガリウムなど層を作らないナノ構造材料の合成にも成功しています。
  現在重点を置いているのは、数多くのナノ構造材料からなるいろいろな電子−光学素子の設計と、これらのオンデマンドファブリケーション技術です。さらに、これら電子−光学素子の実用化として、高精度のナノ機械、いろいろなガスの吸着剤およびセンサー、ナノ温度計、ナノワイヤー接合、整流器、電界効果トランジスタ、電界放射電子銃、ナノスイッチ、ナノ磁石、レーザー発振機、偏光器などを考えています。
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アソシエートディレクター
Dmitri Golberg
B-C-N多層ナノチューブの、エネルギーフィルター電子顕微鏡によるTEM像および元素分布像.上段では各元素が全層で一様に分布しているが、下段では相分離がおき、外側にBとNが多く、内側でCが多くなっている. ガリウム内包カーボンナノチューブで作成したナノ温度センサーと電気スイッチ.
(a)ガリウム内包ナノチューブを電極間に橋渡しする.
(b)空隙をナノインデンターによって作成する.温度を上げるとガリウムが融け、空隙が徐々に狭くなり、ある温度で2つのガリウム柱がつながる.
(c)このときの、電気抵抗の温度変化.
(d)電子顕微鏡で観察したガリウム柱がつながる様子.
エコマテリアル研究センター 環境浄化材料グループ
 光触媒は、次世代環境低負荷型浄化材料および光エネルギー変換材料として近年注目を集めています。しかし、酸化チタンを始め実用化されている光触媒材料は紫外光にしか活性を示さないため、応用範囲および市場規模の拡大を制約しています。当グループでは、太陽光および室内照明光を有効に利用できる可視光応答型光触媒および関連材料の創製、表面ナノ構造制御による高機能化および光触媒反応素過程の解明に関する研究を進めています。生活空間に存在する各種有機有害物質を効率的に分解・除去できる環境低負荷型浄化材料の開発を目指すと共に、光触媒材料を用いた水分解による太陽光エネルギーの化学エネルギー変換の研究にも展開しています。
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アソシエートディレクター
葉 金花
可視光照射における新規Bi系光触媒による
メチレンブルーの分解.
写真 (a) 照射前、 (b) 可視光照射8分後.
新規開発したナノコンポジット材料による水分解.


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