ナノテク総合支援

NIMS専用ビームラインによる支援

物質研究所
超微細構造解析グループ
福島 整



 NIMS専用ビームライン(SPring-8 BL15XU)によるナノテク総合支援は、SPring-8が中心となっている放射光による支援事業の一部として実施されています。そのため、利用課題はNIMS専用ビームラインに対するものもSPring-8が一括して申請を受け入れ、技術的な実施可能性など我々ビームライン担当者の意見を尊重しつつ審査が実施されています。
 確実な支援業務の実施が原則ですので、動作の確実な実験装置系のみを公開すること、およびSPring-8の他のビームラインではできない部分を担当するという2点を支援課題設定のポイントとしています。これにより、NIMS専用ビームラインの高輝度高平行度高単色度によって初めて実現された高分解能粉末回折系による超小角散乱、高エネルギー高輝度高単色度によって確実に実施できるようになった高エネルギー内殻励起光電子分光の二つが支援課題となっています。また、他のビームラインにはないもう一つの重要な特徴である独自の装置を持ち込んだ実験が可能である仕様をフルに活かし、申請者の研究に特化した装置による実験実施も可能としています。
 支援はこの秋から始まりましたが、本年度は8課題(600時間)が採択され、すでに3課題(168時間)が実施されています。また、来年度夏までの支援課題の募集が10月末に締め切られ、来年度支援予定分750時間に対してほぼ半分程度に相当する課題が採択されることになります。
 いずれの申請者の方々も私達の作り出した光の重要性を十分に認めてくださり、支援事業の成果公表において共同研究と位置付けていただいています。継続性の強い課題が多く、申請者も増加する傾向にあります。そのため、支援予定時間を大幅に超えた対応も考慮しつつ、機構本来の研究プロジェクト遂行とのバランスをとりながら実施していく予定です。
 なお、ビームラインの詳細は、機構のホームページ(http://www.nims.go.jp/webram/)をご参照ください。

図1 NIMS専用ビームライン“WEBRAM”



図2 WEBRAM(SPring-8 BL15XU)の概要



トップページへ