行事報告
VAMAS運営委員会及びシンポジウム
−新材料の国際標準化における日本の貢献−

材料基盤情報ステーション
極低温材料グループ
緒形 俊夫



 VAMAS(Versailles Project on Advanced Materials and Standards)は、1982年のG7サミットで合意された国際研究協力の一つで、先進材料の標準に関する国際協力を通じて、国際標準化を促進し先端技術製品の貿易を活性化しようとする活動です。当機構ではデータシートの出版や外部への材料基盤情報の発信業務とともに、材料基盤情報ステーションのミッションの一つとして対応しています。
 VAMASには、表面分析、セラミック材料、高分子材料、生体材料、データベース構築、金属基複合材料、超伝導材料、極低温構造材料、薄膜、高温脆性材料などの18の技術作業部会(TWA)があり、プレスタンダード化研究を推進し、ISOやIECへ国際標準を提案し成立させています。また4つのTWAで、当機構関係者が国際議長を務めています。
 VAMAS運営委員会は、G7各国とEUの主要材料研究機関の所長や科学政策担当政府関係者で構成され、当機構からは八木材料基盤情報ステーション長が委員として参加しています。今年は、ホスト国として日本国内で11年ぶりに開催することとなり、国内の研究的な活動を取りまとめる役割を担ってきた当機構で5月15日と16日に開催しました。岸理事長からの歓迎挨拶の中で機構の研究活動の紹介があり、機構として海外との交流を深める機会にもなりました。
 委員会では、VAMASの活動戦略として他の国際標準団体との提携や情報交換、今後の新材料の標準化領域として各国が高い関心を示しているエコマテリアルやナノマテリアルの新規TWA提案や生体材料TWAの再編成等についても審議され、日本のポテンシャルを踏まえた積極的な討論を行いました。
 また前日の14日に、VAMASと強い連携を保ちつつ推進された、知的基盤整備推進制度による「国際的先進材料の実用化を促進するための基盤構築に関する研究(平成9年度〜平成13年度)」の成果報告シンポジウム「VAMAS ACTIVITIES IN JAPAN」を、本運営委員会の関連行事として開催しました。
 このシンポジウムにはVAMASの運営委員の15名を含め70名を超える参加者があり、日本のVAMAS活動と国際貢献への理解を深めることができたとの高い評価を頂きました。
 最後に、会議開催に多大なご支援を頂いた当機構およびシンポジウムの共催機関の方々、また講演者と事務局の皆様に感謝いたします。


 写真:運営委員会の様子


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