行事報告

第7回APF国際シンポジウム
 
ナノ構造物質の作製とキャラクタリーゼーション

ナノマテリアル研究所
ナノファブリケーション研究グループ
野田 哲二

 

ナノマテリアル研究所
ナノファブリケーション研究グループ
関口 隆史



 当機構ナノマテリアル研究所では、中核的研究拠点(COE)育成プロジェクトとしてナノ構造に起因する量子効果発現に関する研究を推進しています。このCOEの円滑かつ効率化を図る活動の一環として、毎年、APF国際シンポジウムを開いています。このシンポジウムでは最先端の研究者を講師として招聘するとともに、研究発表による最新の研究の情報交換、研究者間の交流を図っています。今回の国際シンポジウムは、日本電子顕微鏡学会の第46回シンポジウムとの共催で「ナノ構造物質の作製とキャラクタリーゼーション」をテーマに、昨年11月13日〜15日の3日間で開催されました。
 招待講演者は、海外から12名、国内から18名、ポスターによる研究発表は61件、参加者は200名を超え、大変盛況でした。
 会議冒頭の吉原所長からの挨拶に引き続いて、半導体シリコンナノ構造、フォトニック結晶、ナノセラミックス、分子マシンなどのナノ構造作製技術、ナノ解析については、電子線ホログラフィー、半導体のTEM解析、カソードルミネッセンス、近接場光学顕微鏡、タンパク質のSPM観察などの講演があり、3日間とも活発な討議が行われました。特に、基調講演の外村博士が、電子線ホログラフィーの最新の成果を開発の歴史を交えてわかりやすく説明されたのが印象的でした。また、従来のナノ構造半導体とならんで、タンパク質、DNAなどの分子マシンの研究は、計算シミュレーション技術を駆使して行われており、その進展には目を見張るものがありました。
 2日目の午後からは、電子顕微鏡学会との共通セッションとなり、より活発な議論の場となりました。
 招待講演の合間に行われたポスター発表では、電子顕微鏡学会の発表者を含め、多くの若い研究者が参加しました。医学、生物系のポスターには、金属、無機材料の研究とかなり共通したものもあり、興味深いものでした。当機構からも多くの若手の発表がありました。このようなシンポジウム開催はCOE研究のみならず、ナノ構造物質の研究を進めている多くの研究者に大きな刺激を与えたものと思われます。
 最後に、会議の開催に多大なご支援をいただいた当機構、電子顕微鏡学会の皆様に御礼を申し上げるとともに、骨身を惜しまず最終日まで協力していただいた事務局をはじめとする協力者の方々に感謝いたします。

シンポジウム参加者(千現地区中庭にて)



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