インタビュー
経歴について
プライベートで行った石垣島にて
早稲田大学卒業、同大大学院博士後期課程修了。卒業研究から一貫して東京医科歯科大学医用器材研究所(現生体材料工学研究所)にてアパタイト系セラミックスの研究を行いました。その後同大理工学総合研究センター客員研究員、無機材質研究所重点研究支援協力員、同任期付き研究員を経てNIMSに就職しました。
研究内容は?
生体活性な無機材料であるアパタイト系リン酸カルシウムセラミックスや、生体活性セラミックスと有機材料の複合体を合成し、得られた材料の一般的な材料学的評価、培養細胞を用いた遺伝子発現などの生物学的評価、ラットやイヌの骨欠損部への埋入による骨再生評価などの医学的評価を行い、実際の医療に役立つ材料を目指して研究開発を進めています。
NIMSのどこに魅力を感じましたか?
アパタイトとコラーゲンが自己組織化して、アパタイトのc軸がコラーゲン繊維の伸長方向に配向した骨類似の微構造になった人工骨材料
分析機器をはじめ、ほとんどの設備が整っているため、材料研究を効率的に進める環境が整っていると思います。私の場合は、材料の医学的評価を必要としているので、必然的に大学医学部や獣医学部などと共同研究をすることになるのですが、共同研究や、それに伴う知的所有権の取り扱いについても事務部門のバックアップ体制が良くできているので、概ね研究に集中することができるというのも魅力の一つです。
NIMSで働くということ
ここは材料の研究所です。金属材料と無機材料の研究所が10年前に一つになってできた研究所ではありますが、最近では生体材料やナノ材料の分野で有機材料の研究者も増加してきており、材料分野での融合研究を進めることができます。また、化学系、物理系の材料研究者はもちろん、鉱物学(ファインセラミックスの基礎の一つはここにあります)出身の研究者も多いため、様々な角度から材料研究を見つめる視点が培われ、新材料開発のための裾野が広がっていきます。
若い研究者の方々へ一言
一般に研究者同士の関係がとてもフラットで、コミュニケーションが取りやすい環境ですよ。それに、留学のチャンスもあります。私は再生医療を学びに全く異分野のハーバードメディカルスクールに留学させてもらえました。