インタビュー
経歴について
慶應義塾大学で学位を取得した後、産業技術総合研究所でポスドク、神奈川科学技術アカデミーで研究員をしました。NIMSには、2007年、先端電子顕微鏡グループにポスドクとして参加し、その後、2年間のICYS生活を経て、今に至っています。
研究内容は?
透過型電子顕微鏡の研究をしています。今までは、電子顕微鏡を使って、薄膜やナノチューブなどの材料の構造を調べていましたが、NIMSに来てからは、新しい観察技法の開発に携わっています。通常、透過型電子顕微鏡で撮影できるのは投影像で、2次元情報しか得られませんが、共焦点原理を使うことで、材料の深さ情報を得ることに成功しました。これによって、電子顕微鏡の高い横分解能の利点を生かしつつ、材料の構造を3次元的に調べることができます。
NIMSのどこに魅力を感じますか?
共焦点電子顕微鏡写真を用いて構築したカーボンナノコイルの構造
様々な分野の材料研究者が集まっているので、セミナーなどをきっかけに共同研究が始まったりします。他の研究者との交流から、自分の研究が広がります。NIMSの規模がちょうどいいのかもしれません。また、組織がフラットで、外国人研究者や女性研究者も差がなく研究できる環境があります。
ワークライフ・バランス
「NIMSで、よかった」とつくづく思うことがあります。特に、子供を持つようになってから。男女共同参画デザイン室のような組織や規約が整備されている点もありますが、私が一番心強く感じるのは、近くにロールモデルとなる女性研究者がいることです。NIMSには、センター長やグループリーダーをしている女性研究者もいます。先輩研究者の経験談を聞いたり、相談に乗ってもらったり…励みになります。
若い研究者の方々へ一言
NIMSの組織はフラットなので、年齢やキャリアに関係なく、チャンスがあると思います。
女性研究者の方々へ一言
女性が仕事をする場合、女性ならではの問題があるのは確かです。しかし、NIMSには、女性研究者が抱える問題や意見、要望を真剣に聞いてくれる仕組みと環境があります。研究生活と家庭生活を両立していくには、最適な場所だと思います。