はじめに

 本施設は、昭和61年 旧科学技術庁 金属材料技術研究所 筑波支所時代に、現物質・材料研究機構 千現地区 雰囲気特性実験棟の一部改造と増設という形で設置されました。以来、主に原子力材料の照射損傷研究に使用されており、大学、日本原子力研究所などの国立研究機関、民間企業との多くの共同研究もこの施設を使用して行われてきています。現在、力学特性研究グループの第1及び第2サブグループが共同で維持運営にあたっています。

 本施設の特色は、照射下その場実験のための装置と技術が蓄積されていること、また材料照射専用のサイクロトロン加速器施設であるために長時間の連続運転が可能なことです。これらの特色により、本施設は材料の照射損傷の研究分野において、世界的にも貴重な施設となっています。

 

サイクロトロン加速器の性能

日本製鋼所製 BC1710型 小型サイクロトロン

イオン種及び最大取出し電流値:
  陽   子    10MeV 50μA
  同   上     4MeV 50μA
  重 陽 子   10MeV 50μA
  He−4   20MeV 20μA
  He−3   26MeV 20μA

ビームライン及び照射チェンバー: 2系統

 

サイクロトロン施設の所在地

物質・材料研究機構 千現地区 雰囲気特性実験棟の一部と増築部分(照射室)

 

雰囲気特性実験棟とサイクロトロン施設全景

 


サイクロトロン施設の配置図

照射チェンバーと照射下実験装置類サイクロトロン本体被照射材用のTEMとSEM照射後クリープ・疲労破断試験機照射後引張り・疲労試験機運転制御室汚染検査室排水設備加速器電源室試料準備室照射室の遮蔽扉廃棄設備

サイクロトロンの運転および照射下実験はすべて運転制御室から遠隔操作で行います。
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サイクロトロン照射室内

日本製鋼所製 BC-1710型 小型サイクロトロン加速器

照射室内全景 (遮蔽扉の位置より内部を見る)
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1.5メートル厚コンクリート製の照射室遮蔽扉
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サイクロトロンの運転装置と電源

サイクロトロンとビームラインの遠隔運転台
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サイクロトロンとビームラインの電源装置
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照射チェンバーと主な照射下実験用装置

Xコース 照射チェンバー (主に、照射下でのクリープや疲労の実験に使用)

Yコース 照射チェンバー (主に、ヘリウム注入などの照射後実験用)

ねじり式照射下クリープ試験装置 (世界最高水準の変形量の測定分解能を有する)

  

照射下疲労試験装置 (コンピュータ制御で複合負荷と広範囲・高精度変位計測可能)

引張り式照射下クリープ試験装置 (新しい負荷制御と変位計測の機構を装備)

高温照射ステージ (赤外線ゴールドイメージ炉による温度制御。ヘリウム注入などに使用)
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主な照射後試験用装置

照射後クリープ破断・疲労破壊試験装置 (主に、ヘリウム脆性試験に使用)
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照射後引張り・疲労試験装置(照射下疲労試験機と同じ機構を持つ)
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放射化試料用透過型電子顕微鏡 (JEOL JEM-2000FX 200kV、PEELS装備)

放射化試料用走査型電子顕微鏡 (JEOL JSM-5310 30kV)
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被照射試料取扱い用グローブボックス
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RI管理関係の設備


汚染検査室のハンドフットクロウズ・モニター
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高性能ヘパフィルターボックス(照射室と実験室の2系統分)
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被照射試料の放射性同位元素を分析するγ線スペクトロメーター
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排水管理のための貯留・排水タンクと水モニター装置
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