国際標準化活動

研究成果の標準化による社会実装

2024.03.04 更新

NIMS国際標準化委員会委員長挨拶

委員長 木村一弘


NIMSは特定国立研究開発法人として、「社会に貢献する技術シーズを絶え間なく創出・育成し、産業界に橋渡しをすることで、シーズ創製から社会実装までの研究進展の過程に幅広く対応する (中長期目標から抜粋) 」ことが求められています。研究成果を規格・基準に反映させる標準化活動は、新知見の社会実装を推進する重要な取り組みでありますが、特に最近では以下のようにその重要性が強く認識されてきております。

2023年5月23日、自由民主党政務調査会 知的財産戦略調査会は政府に対する提言の中で、「例えば政府の支援する研究開発においては、大学や企業が初期段階からルール形成・国際標準化を視野に入れることを促す助成要件を設けるなど、企業等の意識改革、行動変容を後押しする。」、「国際標準化の取り組みを強力に推進し経済成長を促すため、必要な財政措置を講じる。」等、政府として国際標準化を推進することの重要性に言及しております。

NIMSではこれまでも国内外の多岐にわたる標準化活動に取り組んできており、とくにVAMASプロジェクトでは約40年間にわたり我が国の中心的な役割を果たしてきておりますが、これからの研究開発活動、とくに国費によるプロジェクト等においては、標準化による研究成果の社会実装がこれまで以上に強く求められています。そこで、NIMSにおける標準化活動の現状及び成果を集約して見える化を図るとともに、今後の標準化活動をより一層活性化することを目的として、国際標準化委員会の規則を改正するとともに委員会体制を一新しました。標準化活動を通して研究成果の社会実装に貢献することを目指して活動を進めてまいりますので、皆様のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

国際標準化活動の方針

NIMSでは、研究活動を通して国内外の物質・材料研究を牽引するために、国際標準化委員会を組織し、中長期的な視点で以下のような体制整備や活動強化の策定・実施をおこなっています。
  • 標準化により、研究成果の社会還元 (研究成果の普及) を促進
  • 材料関連規格等の高度化により、安全性・信頼性棟の観点 (国土強靭化等) から社会還元に貢献
  • VAMAS※の国内対応事務局として、新材料に関する標準化活動を取りまとめ見える化
  • 研究成果の社会還元の手段として、論文発表および知財化に加えて、標準化活動の意義をNIMS内外に周知
※ VAMAS活動とは
Versailles Projects on Advanced Materials and Standards (新材料および標準に関するベルサイユプロジェクト) で、参加国間での新材料に関連した新技術の発展と国際標準化を促進することにより、先端技術製品の貿易を活性化し、経済的交流を活性化することを目的としています。

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お知らせ・イベント

2024.03.21
2/28「第6回NIMS国際標準化セミナー」を開催いたしました。
2024.03.04
2020年より毎年出版しております「NIMS材料標準化活動総覧」の2024年版を刊行いたしました。
2024.02.28
NIMS国際標準化委員会 木村委員長、株式会社 mil-kin 代表取締役 狩野氏による2講演が開催されます。
2023.12.11
前VAMAS議長のFernando Castro博士(NPL, UK)による講演会を開催いたしました。