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鈴木 瑞穂 Mizuho Suzuki
30歳:茨城県出身
人材部門 人事室 福利厚生係

「U-35」とは?
博士の学位取得後8年未満の研究者を支援する「科学研究費助成事業(科研費)・若手研究」の応募資格者(おおよそ35歳以下)を対象に、NIMSで活躍する研究者やエンジニアおよび、その研究を支える事務職員をご紹介します。

人事室の福利厚生係として、NIMSで働いている皆さんの共済組合証の発行に関する手続き、扶養の認定・取消、雇用保険の給付関係などの業務に携わっています。4月末に異動になったばかりなのですが、皆さんの生活に直結する大事な業務ですので、日々勉強しながら必死に取り組んでいるところです。

入所以降、経営戦略室、文部科学省への出向、企業連携室と様々な部署を経験させていただきました。中でも印象に残っているのが、一年目の経営戦略室での視察対応業務で、ロジ周り全般を担当したことです。官公庁等のVIPの方々がNIMSに視察に来られる際にご案内する研究室やお連れするルートをアレンジし、当日のアテンドまで行っていました。入所したばかりで人脈もなく、研究についてもほとんど分からない状態だったので、どうしたら満足いただける視察になるのか、本当に試行錯誤の日々でした。でも、上司の方が「鈴木さんならできるよ」と常に気にかけて励ましてくださって。考え抜いた末、とにかく機構内の人脈を広げるしかない、と思い、自ら研究室に出向いて、研究者の話を聞き、顔と名前を覚えてもらう、それに徹しましたね。大変でしたが、視察に来てくれた方々が満足そうに帰られるのを見るとすごく嬉しくて、非常にやりがいを感じていました。その時にがむしゃらに突き進んだことが、今の幅広い人脈形成につながっていますし、様々な仕事を同時並行で進めるという自分のスタイルの原点になっていると思います。

鈴木瑞穂

挨拶や笑顔を心がけ、信頼関係を築くことを何より重要視している。「メールだけだと意図が伝わらないと思ったときは、実際に会いに行ってお話します。面倒なことや難しいことも、直接お顔を合わせると、解決の糸口が見つかることが多いです」。

高校生の頃からサッカーが大好きで、大学時代にはサッカー同好会のマネージャーをしていました。選手をサポートすることで、自分も一緒に戦っているような感動を味わえることが純粋に楽しくて、誰かを支えるという仕事が向いているのかな、と漠然と思っていました。 スポーツマネジメント会社など色々と就活していく中で、NIMSは地元に近かったのと、国研だから職場環境はしっかりしているんだろうな、という軽い気持ちで採用説明会に参加しました。文系でしたし、理系の仕事とは縁がなさそうとも思っていたんです。でも、機構概要のビデオを見たときに、ピンときたというか。スポーツ選手と同じで、研究者も世界レベルで切磋琢磨している、それを支えるという役割だったら、私も貢献できるのではないかと思ったんです。

実際に入所して、研究者のために働いていることをとても実感できています。NIMSは組織の規模がちょうどよく、アットホームな雰囲気で、研究者との距離も近いんですね。皆さん協力的で仲良くしてくださるので、「あの人のために頑張りたい」と自然にモチベーションが湧いてくるんです。予算が付いたおかげで装置が揃ったとか、成果がプレスリリースとして発表されたとか、お役に立っていることが目に見えた時の喜びは、研究者の方と同じ感覚だと思いますね。

鈴木瑞穂

同じ人事室の仲間と。「週一回の係内ミーティングでそれぞれの仕事状況を把握し、コミュニケーションを密にとって業務が円滑に進むようにしています。何か困ったことがあれば、役職問わず誰にでも相談しやすい風通しの良い社風です」。

今後も、世界で戦うNIMSの研究者を支えていけるような仕事がしたい。そのために、人とのつながりを何より大事にしたいと思っています。問い合わせが来たらなるべく早く回答するとか、お世話になった方には必ずお礼のメールを送るとか、一つ一つは小さなことですが、その積み重ねが信頼関係を築くカギだと思うんです。業務上の目標を高く掲げるというよりは、目の前にいる方との関係を大事にして、その結果がNIMSの発展につながれば嬉しいなと思っています。

鈴木瑞穂

サッカー、バドミントンをはじめ、5つの部活動に参加している。「仕事の枠を超えて様々なつながりができたことで、プライベートも充実しています。どんなに忙しくても、月に一回は必ず有休を取るようにしていて、メリハリを大事にした働き方ができていますね」。

【取材・文】藤原 梨恵(NIMS広報室)
【写真】石川典人