Photo by Michito Ishikawa / 石川典人

社会のために役立ちたい / 澤田浩太さん

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41歳の私はまだ若手なんです

若手の研究者といっても、40代でいらっしゃるんですね。

そうです。この間ある企業との若手の交流会に行ったんですが、企業から来たのはみな20代から30代の人たちばかり。こちらは私が若手で、ずい分ギャップがあるな、と大笑いになりました。研究者として一人前になるには、大学でドクターコースを出て、ある程度の研究経験を積んでから研究所に来るので、どうしても30をこえてしまいます。だから41才の私はまだ若手なんです。

NIMSに入られてどのくらいですか?

金属材料技術研究所(NIMSの前身)に入ったので14年はたっています。クリープの研究をしているグループには、若手は私しかいません。エンジニアの方々がデータをきっちりととってくれるので、そのデータをもとに研究するんですが、研究者はリーダーの下に私一人です。エンジニアの人たちは一番若い人でも50代です。

祖父が使命感の強い人だった。

研究に興味をもったきっかけはなんだったのでしょう?

大学のときに配属された研究室がたまたまクリープの研究をしているところだったんです。もともと工学に興味を持ってはいたんですが、私のまわりには工学系の人間はいませんでした。ただ、曾祖父が軍医をやっていて、使命感の強い人だった。その影響で両親も責任感が強く、社会のために役立ちたいという意識を自然と受け継いだようです。クリープ試験は社会に役立つ研究としてピッタリだったんでしょうね。

クリープ試験の研究には根気とねばりが必要だと思いますが、ご自分ではどのようにお考えですか。

性格がどうかはよくわかりませんが、ひたすら耐えつづけるというのはともかく、目的がはっきりしていればかなりがんばれるタイプだとは思います。

NIMSは新しい材料の研究をするところなので、材料や物質を生み出す研究開発が中心になっているのですが、実用化されている材料や物質をいかにうまく利用するかという利用技術の研究も大切なんです。

たとえば、発電所などでつかわれている部材のデータを、材料屋の立場で分析して、その結果をユーザーに納得できるように説明する。

目的は「どうやってパフォーマンスを引き出すか」ということではっきりしているんです。だから論文を書くよりは、部材設計の規格を決める委員会に参画するとか、企業と共同研究をするといったことが重要になります。

目的はどうやってパフォーマンスを引き出すか。

ご家族は何人いらっしゃいますか?

妻と娘3人です。小学4年、1年と3才です。子どもができる前は妻と一緒に出かけたりしていましたが、いまはまったく子どものための休日になってしまっています。本も読みたいけど、ほとんど時間がとれませんね。トイレの中か、移動のときぐらいです。

どんな本を読まれますか。

いわゆる新書ですね。文学作品はあまり読みません。学生のときはブルーバックスも読みましたが、いまは政治や歴史にかかわる本が多い。海外へは年に2~3回出張しますが、ある程度日本のことを知っておかないと、外国人と話すときに困ったりしますから…。それと、研究者生活のガイドに関する本を最近読みました。

夜型でテレビっ子といえるかもしれません。

スマートにみえますが、体を鍛えたり、何か趣味でなさっていることはありますか?

いや、裸になると出てるとこは出てるんですよ。運動したいなと思ってはいるんですが、なかなか…。以前は野球をやってましたが、いまは全然。うちが車で20分、10キロぐらいのところにあるので、自転車通勤にかえればいいのかも知れませんね。

趣味ではありませんが、ふだんからテレビはよくみますよ。お笑い番組も好きですし、ドキュメンタリー、朝まで生テレビなど結構見ちゃいます。夜型で、テレビっ子といえるかもしれませんね。

ご家族の方とどんな話をしますか。

私の仕事はエネルギー問題と直結しているので、大震災のあとなどはエネルギー教育の必要性などについて話していました。いまも、子供たちには、電気をつけたら必ず消せとうるさく言っています。

(取材・文 えとりあきお)