研究紹介
スマートポリマー(スマポ)とは?(→詳しくはこちら

さまざまな外部環境変化(例えば温度、pH、光、磁場など)に応答してその性質を変化させるように人工的に設計した高分子(ポリマー)のことをスマートポリマー(スマポ)と呼んでおります。他にも、インテリジェントポリマー、刺激応答ポリマー、環境応答ポリマーなどとも呼ばれております。

 

”貼る”癌治療用メッシュ(→詳しくはこちら
がんの温熱療法と化学療法を同時に行うことで高い抗癌効果が得られることが知られております。そこで、体外からの交流磁場の印加によって発熱と抗癌剤放出を同時に実現可能なメッシュの開発を行っております。このメッシュは、数百ナノメートルの細い繊維が集まってできています。

 

腕時計型尿毒素除去フィルター(→詳しくはこちら)
現在日本には透析患者が30万人以上いるといわれております。しかし現在の透析のシステムでは高度なインフラが整った病院設備が必要となるため、途上国や災害時などの緊急時の治療は困難となります。そこで世界中どこでも利用可能な携帯型の尿毒素除去フィルターの開発を行っております。

 

早期診断用ポリマー(→詳しくはこちら
途上国などでは5歳未満の子供の死亡率がきわめて高いことが問題となっております。これらの主な死因は早期に診断・治療すれば治るような感染症などです。その一方で、こうした地域では早期診断可能な高感度センサーを用いるのは困難なのが現状です。そこでスマートポリマーを用いて、高感度センサーを用いなくてもよい濃度にまで病原体を濃縮・精製する方法の開発を行っております。

 

超高齢化社会にむけた抗炎症ポリマー(→詳しくはこちら)
認知症や骨粗しょう症、心筋梗塞や脳梗塞などの介護を必要とする病気の60%は炎症反応が関与しているといわれております。そこで過度な炎症を制御するために、アポトーシス細胞の抗炎症メカニズムに注目し、新たな抗炎症ポリマーの開発を行っております。

 

健康長寿を支えるメカノバイオロジー(→詳しくはこちら)
私たち人間の体は60兆個もの細胞から構成されてます。こららの細胞が受ける様々なストレスとその運命を理解することは、病気の発症解明や治療薬の開発など、健康長寿社会の実現にむけた多方面での研究に非常に重要な学問(メカノバイオロジー)となっております。私たちはスマートポリマーを用いてメカノバイオロジー研究に取り組むことで、将来的には薬や細胞のいらない治療法の開発を目指しております。