電界イオン顕微鏡 (FIM) は1951年にペンシルバニア州立大学のErwin E. Mueller 教授により発明され た投影型の顕微鏡で、これにより人類は初めて原子を観察することに成功しま した。この顕微鏡は、 電界放射顕微鏡(FEM)から発展した装置です。


図1 電界イオン顕微鏡(FIM)の原理を示した図

図1に示されるように装置の構成は非常に単純で、超高真空中に先端の直径が 100 nm程度の先鋭な針を低温に保持し、その対面にマイクロチャネルプレート を装着したものです。試料表面は原子レベルでは図にしめされるように原子の 配列による凸凹が生じていますが、これに高電圧を加えますと、原子が突き出 た部分で高電界がかかります。そこにNe, Heなどの不活性ガスを導入すると、 ガス原子は電界の高い部分でイオン化されてマイクロチャネルプレートに衝突 し、その場所に輝点が生じます。つまりマイクロチャネルプレート上には針状 の試料表面の原子の凹凸を100万倍程度に拡大した像が得られる訳です。

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