若手研究(B)
Co基ホイスラー合金を用いたSi中への高効率スピン注入
研究代表者:介川裕章
研究期間:
2008年4月 - 2010年3月
研究費(見込み):3,400千円
概要
現在の半導体集積回路技術は,集積度の向上のために動作原理の維持が難しくなってきており,今後は新しい概念の導入により高集積度と新規な機能の実現が強く求められている。そのために電子スピンによる情報を利用することが考えられている。特に,スピン源となる強磁性体の不揮発性を利用することにより,不揮発性ロジックの要素となるスピントランジスタを実現でき,現在の半導体ロジックと比較し大幅な省電力化かつ高機能化が期待されている。スピントランジスタの候補として,ソースとドレインに完全スピン偏極した材料:ハーフメタル,チャネルにSi半導体を有し,スピンのバリスティック伝導を利用したスピンMOSFETが考案されている(図a)。これは構造的に高密度化が可能であり,室温でも高いスピン分極率を持つ材料を用いることで,室温動作を実現できるため大きな可能性を秘めている。本研究課題では,スピンMOSFETの実現のために必須な半導体Siチャネルへの高スピン偏極電流の注入技術の開発を行う。特に,我々のグループが開発した,室温で高いスピン分極率を有するCo基フルホイスラー合金(図b,L21構造,Co2FeAl1-xSix合金)をスピン注入源に使い,Si層中への高効率スピン注入を目指す。

図(a) スピンMOSFETのデバイス構造の模式図

図(a) Co基フルホイスラー合金のL21構造(Co2YZ型)とハーフメタルのバンド模式図
