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澤口孝宏 (構造材料研究拠点 設計・創造分野 振動制御材料グループ グループリーダー) が「2022年日本鉄鋼協会学術貢献賞(浅田賞)」を受賞

2022.04.18
 

振動制御材料グループ 澤口孝宏グループリーダーは、「高疲労寿命鉄基合金の開発と制振ダンパーへの応用」に関する研究成果について「2022年日本鉄鋼協会学術貢献賞(浅田賞)」を受賞しました。

【業績】
高Mnオーステナイト鋼やFe-Mn-Si基形状記憶合金において、変形誘起マルテンサイト変態や双晶変形を伴って発達する変形組織とその塑性や疲労におよぼす影響について研究を進め、特に、最密六方構造のεマルテンサイトが塑性変形や疲労特性に及ぼす影響を詳細に調査し、εマルテンサイト・バリアントの交差部に発達する微細組織の結晶学的特徴や形成条件を系統的に解明した。また、繰り返し引張圧縮変形下でγ→εマルテンサイト変態とその逆変態を交互に繰り返す新現象を発見した。このような結晶構造の反復変化は合金の低サイクル疲労寿命を大幅に高め、新しい耐疲労鋼の成分設計指針となった。さらに、この成分設計指針を活用して、建築構造物の制振ダンパー心材の疲労耐久性向上を目的に、低サイクル疲労寿命を大幅に高めた耐疲労制振鋼を開発した。この新しい制振鋼は、企業との共同研究により、10トン級電気炉の製造ライン実機での製造、次いで60トン級連続鋳造による長尺板の製造、さらには溶接技術の開発にも成功し、新型耐疲労制振ダンパーとして、超高層ビルや大規模展示場への実装を達成している。




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