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古谷佳之主席研究員(構造材料研究拠点 疲労特性グループ)が「日本鉄鋼協会学術記念賞(西山記念賞)」を受賞

2018.03.29
古谷佳之主席研究員(構造材料研究拠点 疲労特性グループ)は、第175回日本鉄鋼協会
春季講演大会において学術記念賞(西山記念賞)を授与されました。

以下は詳細な業績の紹介となります。

ギガサイクル疲労評価法の確立

受賞者は、金属材料の疲労の研究に従事し、特に高強度鋼のギガサイクル疲労に関する研究では多くの業績を収めている。先ずは、超音波疲労試験を用いた加速試験技術に着目し、ギガサイクル疲労が問題となる低応力・長寿命の条件では繰返し速度の影響が無視できるほど小さいことを明らかにした。これにより、通常は数ヵ月を要する109回(ギガサイクル)疲労試験を一日で完了できる加速試験技術を確立した。その後は、加速試験技術を用いることでギガサイクル疲労の様々な特徴を明らかにしてきた。中でも、水素の影響や寸法効果がギガサイクル疲労では特に顕著になる等の発見は特筆すべきものである。近年では、ビーチマーク法により内部き裂の伝ぱ挙動を可視化するというユニークな技術を確立することで、高強度鋼のギガサイクル疲労メカニズムを解明した。これは学術的に極めて重要な知見であるが、それと同時にギガサイクル疲労強度を簡便に予測するための予測式を導出するという実用的な成果に結びつけている。
以上のように、受賞者は、特に高強度鋼のギガサイクル疲労という難解な分野において研究を大きく進展させた功績がある。


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