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篠原 正NIMS特別研究員(構造材料研究拠点 腐食特性グループ)が「平成29年 日本鉄鋼協会 学術功績賞」を受賞

2017.04.06
篠原 正 NIMS特別研究員(構造材料研究拠点 材料信頼性分野/腐食特性グループ)は、3月15日~17日に首都大学東京 南大沢キャンパスで開催された日本鉄鋼協会において、学術功績賞を授与されました。同賞は、鉄鋼に関する学術、技術の研究に顕著な功績のあった会員に対する授賞です。

以下は詳細な業績の紹介となります。
「鉄鋼材料の腐食防食に関する研究」
篠原氏は、一貫して、鉄鋼材料の腐食・防食に関する研究に従事してきた。
ステンレス鋼の局部腐食に関しては、まず、すきま腐食発生の臨界電位(すきま再不動態化電位, ER)の測定法を確立し、これは2002 年に JIS G 0592 として規格化された。また、平衡反応と物質移動を考慮したすきま腐食のモデル化にも成功した。一方、塩化物応力腐食割れ(SCC)については、SCC挙動におよぼす各種因子の影響を詳細に調べてきた。
金属材料の大気腐食に関する研究では、Fe/Ag-対からなるセンサを開発し、温和な住宅内環境から海洋性大気環境に至る幅広い範囲の大気環境において、その腐食性評価手法を確立した。また、付着物の吸水によって生成される水まくに関して、その濃度や膜厚を熱力学的に計算する手法を提案し、この水膜厚さ・濃度と鉄鋼材料の腐食挙動との関係を調べることに成功した。
篠原氏は、研究のみならず、多くの学協会や公的委員会委員を勤め、腐食問題の解決にあたるとともに、鉄鋼分野における腐食研究の重要性について積極的に発言・活動しており、こうした業績が功績賞として認められた。

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