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研究活動

イプシロン型酸化鉄の磁気特性の第一原理解析

日本物理学会2014年秋季大会, 中部大学春日井キャンパス, 愛知県

2014年9月9日(火)

平井大介、常行真司、合田義弘 ( 東京大学 )

概要/Abstract

2T 以上という金属酸化物中最大の保磁力を有するイプシロン型 酸化鉄は、高密度磁気記録材料やミリメートル(サブテラヘルツ) レベル高周波吸収材料として大きな関心を集めている [1]。しかし、 この保磁力の起源はいまだ明らかになっておらず、基礎科学的に大 変興味深い。また、この起源を解明することは高保磁力磁性材料デ ザインへとつながる可能性を秘めている。
そこで本研究では、密度汎関数理論に基づく第一原理計算により、 イプシロン型酸化鉄の高保磁力の起源を明らかにすることを試み た。計算には第一原理電子状態計算コード OpenMX [2]を用いた。 計算の結果、欠陥・不純物等を含まないイプシロン型酸化鉄は面内 磁気異方性を示すことが分かった。これは大きな面直異方性を示す 実験結果を全く説明することができない。そこで、酸化物中に存在 する酸素空孔に着目し理論解析を進めた。単位胞(40 原子)あたり 一つの酸素空孔を導入した結果、c 軸を磁化容易軸とする非常に大 きな面直結晶磁気異方性が誘起されることを突きとめた。また、酸 素空孔を含まないイプシロン型酸化鉄の磁化は超交換相互作用由 来のフェリ磁性のため非常に小さいものであったが、酸素空孔導入 により 8.74 emu/g(43.9 kA/m)という実験で得られた磁化とオーダ の等しい磁化が得られることを確認した。講演では、酸素空孔の安 定性、スピン-軌道相互作用摂動計算による結晶磁気異方性解析に ついて詳細な議論を行う。

References

[1] S.-I. Ohkoshi and H. Tokoro, Bull. Chem. Soc. Jpn. 86, 897 (2013).
[2] www.openmx-square.org


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触媒・電池元素戦略拠点
触媒・電池元素戦略研究拠点 (京都大学)
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東工大元素戦略拠点 (東京工業大学)
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構造材料元素戦略研究拠点 (京都大学)
高効率モーター用磁性材料技術研究組合
高効率モーター用 磁性材料技術研究組合