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研究活動

第一原理計算によるNd-Fe-B焼結磁石主相/Nd酸化物相界面の構造と電子状態

日本金属学会 2014年度春季大会 公募シンポジウム「永久磁石開発の元素戦略2-材料設計の技術課題-」

見澤英樹
合田義弘 ( 東京大学 )
土浦宏紀 ( 東北大学 )
常行真司 ( 東京大学物性研究所 )

概要/Abstract

ネオジム磁石(Nd2Fe14B焼結磁石)は最も強い磁石として多くの応用に使われているが、その保磁力のメカニズムには未知の部分が多い。
ネオジム磁石結晶粒界における微細構造、具体的にはNd2Fe14B主相/副相界面が保磁力の発現に重要な役割を果たしている事は実験的に良く知られてきているため[1]、その界面がどのような構造、電子状態を持っているかを明らかにする事は意義深い。
また、ごく最近では界面の結晶面方位による差異も実験的に観察されてきており[2]、第一原理計算による表面・界面科学的アプローチとの比較は時宜を得ている。
Ndサイトの磁気異方性は4f電子が受ける結晶場ポテンシャルの異方性により支配されると考えられるため[2]、まず結晶場の源となる界面構造を探査・同定する必要がある。
実験[3]から、副相のNd酸化物がNdとOの原子数比が約5:1かつNdサイトが面心立方格子を組むとき、保磁力の増大が確認されている。
本研究では、副相としてこの種のNd酸化物に着目し、主相との界面における安定構造、電子状態を理論的に探査する事を試みた。
界面の原子構造は、密度汎関数法(DFT)の一般化密度勾配近似を用いて最適化した。
また4f電子状態の計算にはDFT+U法を用いた。
原子構造モデルとしては真空を用いたスラブモデルではなく、薄膜を互いに積層させたヘテロ構造モデルを用いた。
スーパーセルに含まれる原子数は200〜500原子程度である。並列計算の大部分はスーパーコンピューター「京」を用いて行った。
様々な酸素濃度に対してNd酸化物相の原子構造を計算し、NdとOの組成比が1対1の時酸素は6配位配置、4対1の時酸素は4配位配置を取る事が示された。
また計算で得られた4配位時の格子定数5.44Åは実験によって得られた格子定数をよく再現しており、低酸素相Nd4Oの構造は4配位酸素配置であると考えられる。
Nd2Fe14B (001)√2×√2−Nd4O酸化物(001)√5×√5界面構造モデルでは、界面におけるNd酸化物中のNdサイトの面心立方格子からの乱れが酸化物の厚み方向に緩和していく構造が確認できる。
講演ではこれらの乱れた界面構造、及びそれに起因する界面電子状態について詳しく議論する。


その他特記事項

本研究は、第一原理計算の大部分はHPCIシステム一般利用公募課題 No. hp120086「新磁石材料探査とその保磁力発現機構の解明」(研究代表者:合田義弘)としてスーパーコンピューター「京」を用いて行った。


研究活動

元素戦略拠点

触媒・電池元素戦略拠点
触媒・電池元素戦略研究拠点 (京都大学)
東工大元素戦略拠点
東工大元素戦略拠点 (東京工業大学)
構造材料元素戦略研究拠点
構造材料元素戦略研究拠点 (京都大学)
高効率モーター用磁性材料技術研究組合
高効率モーター用 磁性材料技術研究組合