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研究活動

Nd2Fe14B の磁気的構造

第37回 日本磁気学会学術講演会

吉岡匠哉 ( 東北大 )
土浦宏紀 ( 東北大 )
Pavel Novak ( ASCR )

Abstract

緒言
希土類磁石,特にNd-Fe-B磁石の保磁力機構を解明することは,学術的興味のみならず元素戦略的観点からも極めて重要である。
そのためには,主相Nd2Fe14Bの磁気的性質を微視的な立場から明らかにする必要がある。
一方で,応用上もっとも興味深い保磁力の評価を行うためには,電子論的計算手法は現在のところ不十分であり,マイクロ磁気学シミュレーションの手法に頼ることになる。
したがって,現時点でとりうる最前の理論的アプローチは,微視的・電子論的計算から得られた情報を最大限取り入れたマイクロ磁気学シミュレーションモデルを構築し,それを用いて保磁力評価を行うことである。
この目的のためには,各イオンのもつ磁気モーメントをはじめ,Ndサイト,Feサイトの局所的磁気異方性,Nd-Fe間およびFe-Fe間の交換相互作用といった情報を第一原理計算に基づき評価する必要がある。
本講演では,その手始めとして,Ndの結晶場係数Almを高次まで微視的に評価した結果について報告する。
また,Nd2Fe14Bの比較対象として,Ce2Fe14B, Dy2Fe14B等の結晶場および磁気異方性についても併せて議論する。

計算手法
希土類永久磁石の結晶磁気異方性は,主に希土類イオンの4f電子に働く結晶電場によってもたらされる。
結晶電場を定めるのは4f電子の周囲にある電荷分布であり,これは第一原理計算を用いることにより正確に計算することが出来る。
まず,第一原理計算コードWIEN2k1)を用いてNd2Fe14Bの電子状態を解析し,結晶電場ハミルトニアンHCFを評価する。

結果
   A20<r2>
Nd (f) 522 K
Nd (g) 790 K
Nd2Fe14Bのfサイトおよびgサイトにおける結晶場パラメータA20<r2>を上表に示す。
本講演では,Nd2Fe14B, Ce2Fe14B, Dy2Fe14Bの高次結晶場係数についても報告し,実験的に知られていたこれらの物質における磁気異方性の特徴について議論する。
また,低温において実現するスピン再配列のメカニズムについて議論する予定である。


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