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3Dプリンタで空間に分布する物理量を可視化する技術を開発

~分子の中の電子密度分布を透明樹脂の中に描写~

2016年11月30日(水)

東京大学物性研究所の山崎らと株式会社クロスアビリティの長代らは、空間に分布する物理量を、3Dプリンタで出力可能なドットデータに変換するプログラムを開発しました。このプログラムを用い、コンピュータで計算した分子を構成する原子間の結合を担う電子密度分布のデータを、ドットデータに変換しました。このデータをインクジェット型3Dプリンタ(注1)に入力することで、透明な樹脂の中に電子雲を描写した分子模型の制作が可能となりました。この分子模型により、分子中の電子状態の理解が深まり、電子が関与する新機能分子の開発等に役立てることが可能となります。さらに、電子雲を含む分子模型を教育ツールとして利用することで、モニタ上だけで表示するのに比べ、物質の構造や機能と電子密度の関連の理解を深めることが可能となります。また、この技術は、分子以外に雲、銀河、建物や車の周囲の気流などを描写することも可能であり、幅広い領域での応用が期待されます。
従来、分子模型は原子間結合を棒形状で示すボールスティックタイプが主として用いられており、電子密度分布と結合や機能の関係を理解することが困難でした。
尚、11月30日(水)から、株式会社クロスアビリティにおいて、本技術(特許出願済)を適用した分子模型の制作の受注を開始します。

本研究は、文部科学省「HPCI戦略プログラム:分野2新物質・エネルギー創成」で取り組んだスーパーコンピュータ「京」の計算結果を3Dプリンタで可視化する基本技術を、現在、取り組んでいる文科省「ポスト「京」重点課題「次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成」と、「元素戦略磁性材料研究拠点:基盤的計算機シミュレーション手法の検討」のプロジェクト間連携で応用技術に発展させる研究として得られた成果です。


注1:インクジェット型3Dプリンタ
紫外線で硬化する樹脂でできたインクを面状に塗り重ねていく方式。今回の試作はStratasysLtd.社製Objet500Connex3(代理店:丸紅情報システムズ株式会社)で作成した。




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